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11夜目
今までは、地震や地盤についてお知らせしてきましたが今後は住宅の劣化に関してお知らせしていきます。
住宅における木質部材の劣化現象には、風化、摩耗、腐朽、虫害なとが有ります。このうち風化は紫外線や赤外線あるいは雨・風などの自然外力により部材の表面からゆっくりと組織が浸食されていく物理化学的現象ですから短時間に部材深部まで進行することは一般的にありません。摩耗は建物使用過程において床板や建具などの仕上げ・造作部材などに生ずる表面の物理的破壊・損耗減少で建物全体の構造耐力とは直接関係しません。それに対し腐朽は各種の腐朽菌により木材組織が化学的に分解される現象ですから条件さえ整えば短期間で材深部まで被害が及びます。また虫害のうちキクイムシなどの害は一般的に被害部材が広葉樹材を中心とした非構造部材に限定されるものの、シロアリによる蟻害は腐朽と同じく条件さえ整えば短期間い湿潤状態や乾燥状態にある部材の深部にまで被害が及びやすいことから、住宅の安全性や居住性にきわめて大きい影響を与えます。その意味では狭義に木質住宅の劣化といった場合には普通、腐朽、蟻害をさすことが多いです。
このような木質部材への腐朽、蟻害の発生に伴い住宅には各種の性能低下が生じますが最も深刻な問題は構造安全性の低下です。建物の骨組みである土台・柱・梁・筋交いなどに劣化が発生しますと、建物そのものの耐震性、耐風性が低下してしまいます。これらの修理には多大な経済的負担が発生し、場合によっては人命が危険にさらされる状況になります。
これらは第三者検査を受けることにより大部分の発生が防止できます。
次回は主たる劣化原因についてお知らせします。 2024/4/7
12夜目
木質住宅に作用する水分・湿分にはその供給形態により雨水・生活用水・結露水・床下滞留湿気などが有り、それらは建築的には次のような原因によってもたらされます。
雨水:雨水は主に屋根や外壁などの建物外周部に作用する水であり、直接雨係りとなる部材以外には、防水、雨仕舞の不良箇所からの漏水ならびに浸水により木質部材は侵されます。屋根では、屋根葺き材が破損したりずれたりしてる不良箇所からの小屋裏あるいは壁体の下地、骨組みへ浸水することがあります。一方、外壁では、隅角部を中心とした外壁仕上げ材の目地の亀裂部分あるいは開口部枠廻り、ベランダ、下屋などの他部位との接合部の防水不良箇所から雨水の侵入が生じますさらに軒樋、竪樋の接合不良や容量不足によるオーバーフローあるいは基礎まわりの地盤における跳ね返りによっても外壁壁体への雨水が当たり内部が侵されることが有ります。
生活用水:生活用水とは、人間が生活していくうえで使用する水のうち、一般には台所、洗面所、浴室、トイレなどの水回りにおいて主に建物の床、壁に作用する水です。台所、洗面所、トイレでは、推薦やシンク廻りの防水不良箇所、浴室では、浴室では床、壁、天井などの各部位の防水・水仕舞い不良箇所や浴室と壁との取り合い部の防水シール破談ヵ所などから床や壁の内部に侵入し木質部材を侵していきます
2024/4/13
13夜目
結露水:結露は、空気が何らかの温度の低い物体に触れて冷やされて露点以下に達することにより、空気中の過剰な水蒸気がその物体表面に凝結する現象です。建築の場合は、壁などの表面に触れて結露するほか、適切な防湿処理が施されていない場合には、水蒸気を多く含んだ室内の暖められた空気が壁体や小屋裏などに侵入し内部結露を引き起こすことが有ります。物体表面結露する場合は、発見もしやすいのですが、内部の材料表面や断熱材内部で発生する内部結露は発見が遅れるうえに乾燥しにくく、最も厄介な現象の一つです。また、床下や壁体内にくみこまれた給水管周りに表面結露が生じて結露が発生し木材等を腐食させることも有ります。
床下滞留湿気:床下空間における水蒸気は、湿潤になりがちで水はけも良くない地盤における床下土壌中からの水分や耐圧コンクリートからの水分蒸発によってもたらされます。昔ながらの高床式の古い家屋であれば、常に外部からの通気があるため湿気が滞留することは少ないのですが基礎立上り部により外周部並びに内部が閉鎖的に施工される布基礎方式、べた基礎方式は防湿対策を施さない限り湿気が滞留しやすく土台、床板などの軸組下部の木材に吸湿され高含水状態を作り出し腐食発生につながります。
次回は住宅の劣化環境についてレポートします 2024/4/18