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23夜目
相談内容:建設会社に設計施工一括で家の建設をお願いしました。しかし、適切な工事が行われているか心配です。雑誌などで第三者の建築士が工事監理をしてくれるというのでお願いしようと思います。それを建設会社に申し入れたら、わが社できちんと管理するので大丈夫ですと言われましたが心配なので第三者にお願いすることはどんなもんでしょうか
回答: 1.監理と管理-建築工事には2つの「カンリ」が有ります。「監理」と「管理」です。監理とは建築士法2条6項でいう工事監理の事です。設計した建築士または」第三者の建築士が、工事が設計図書とおり行われているかを確認する業務です。一方管理とは施工者が図面い基いて所定の品質の建物を所定の工期内につくる業務です。これは一般的に工事管理と呼ばれています。建設会社では建設業法26条で主任技術者及び監理技術者を設置することが義務付けられてます。この技術者が行うのが施工管理です。したがって、施工会社が管理するといっても、工事監理と施工管理では役割が違いますから、その違いを理解することが必要です。
2. 工事監理者の役割-工事監理を行う行う建築士は、建築士法第2条及び18条により業務の範囲と法的な責任が明確になってます。そして、工事監理者は工事が図面通り行われているかを監理するので建築主側の立場で行う仕事と言えます。 設計施工一括の場合は、建設会社の社員または建設会社に委託された建築士が監理者となることが多いと思われます。その場合、工事監理と施工管理を行う人が同一人物または同一会社の人間となってしまいます。 ここで、同じ利害関係を持つ人間が、建築主の利益のために工事監理をきちんとできるかどうかが問題となります。そこでセカンドオピニオンの必要性から第三者監理(検査)ということがいわれるようになってきました。
3. 第三者への工事監理の委託-建築確認書には監理者名を記載しなくてはなりません。一つの現場に正式な工事監理者は1名です。ところが第三者に監理をお願いすると2名の監理者がいることになります。そうなると、第三者の監理者の責任範囲が不明確になる同時に建設会社との間でトラブルのもとになりかねません。第三者の建築士を正式な工事監理者に変更したい場合、出来ない事はありませんが、建設会社との契約変更や工事監理者変更届などを建築主自身が役所や指定確認検査機関に提出する必要があります。
アドバイス:工事が適正に行われるか心配なときは、第三者に正式に工事監理をお願いすることも重要ですが、第三者に工事監理を委託する難しさも有ります。 もう少し簡単に第三者に工事の監視役を頼みたい場合、正式な工事監理ではなく建築主の検査への立合いを依頼することが考えられます。第三者監理ではなく第三者検査という表現になります。この場合建設会社への工事の是正などの指示は、第三者が直接施工者に指示するのではなく、建築主に内容等を報告し、それを基に建築主の権限で行う事になります。尚、建設会社と第三者との間に契約上の関係はありませんので建設会社はこれを拒むことはできません。建設会社ではこのような第三者が入ることを嫌う場合が有ります。しかし、欠陥を生まないために有効な手段となると思われます。 2024.06.17